■埼玉の老人ホーム、猫事件の真実

H17 10/22

 10月18日、愛護団体が警察へ再捜査を要請。それに対し加須警察は、「新たな事実がない限り再捜査はしない」、「事件に人為性はなく、猫の可能性が大きいと」と答え最終結論としました。

◆この事件は、当初から事実誤認のまま、正しい報道がなされなかった。

 各報道機関は、庭の形状や、そこに猫が2週間も閉じ込められていたことを全く知らずに記事を書いた。 従って、本来問われるべき管理責任に触れず、猫一般への“危険性”ばかりを伝える結果となった。

 ここでの記録は、センター(担当職員)、特養ホーム(事務局長)、警察(担当刑事)へと何度となく電話調査した経緯、 たとえ「猫が犯人」としても問われるのは管理責任、猫は決して“人を襲わない”ことを確認し、再度報道機関に訴えた報告です。

埼玉の老人ホーム、猫事件の真相(10/12)
報道の問題点(10/14)
最終報告と真実 “それでも猫は襲わない!”(10/22) NEW

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■埼玉の老人ホーム、猫事件の真相

H17 10/12

(これは、埼玉の特別養護老人ホームで起きた事件です。詳細は、以下のアドレスで。)
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200510/sha2005100901.html

●「猫が犯人」とは、警察は言っていない!!!

本日(10/11)、加須警察署に電話し話を伺う。
(その結果は、以下の通り。)

「猫が犯人とは言っていない、それは、マスメディアが勝手につくった話。
警察も迷惑している。」

警察の認識は、人間以外の原因(動物)。
足跡も確認したが、それが猫とは言っていないとのこと。

●捕獲された猫は、どうなっているか?!

猫は現在、警察から「動物管理センター春日部支所」へ。
ここで、今後の処遇を検討中とのこと。
(春日部支所、048−735−2451)

春日部支所では、殺処分の中止を求める声が、多数寄せられている。
また里親の申し出も、複数寄せられているとのこと。

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●警察では、「猫が犯人」をメディアが勝手に流したことについて大変立腹。
意見や抗議は警察ではなく、テレビや新聞社にして下さいとのこと。

加須保健所では、猫を捕獲したことについて、
本来、猫の捕獲はできないことだが、再発防止の特別な措置として、
警察やホームからの依頼を受け実行した。
しかし、ただ檻を置いただけで、翌日かかった猫は警察に任せたとのこと。

質問1。
・ 口の周りや体に、血痕はあったか?
保健所は、檻の外から見た限りでは確認できなかったとのこと。
(つまり、血痕は見られなかったとのこと。)

質問2。
・ 網戸に、進入の穴が開いていたと言うことだが?
警察は、特に調べていないとのこと。

●動物指導センター(春日部支所)では、
猫を警察から引取ったのは、通常の業務との説明。

それについて、
引取ったことは正当な業務で、ここまでの対応には感謝している。
しかし、今後の猫の処遇を通常の業務として処分するのなら、
問題があると話す。(以下、内容。)

・ まず、始動時の捕獲は、通常の業務とは違う、
特別な対応であったこと。
・ 次ぎに、猫が犯人とは警察が言っていないこと。
つまり、確認されていないこと。
・ 今回の事件は、前代未聞で猫がやっとは考えにくいこと。
(もっと、可能性の高い野生動物がいる。)
・ 殺処分は、「猫が犯人」という認識を、
定着してしまう恐れがあること。
・ この「猫が犯人」という認識は、社会に与える影響が大きいこと。
(猫に対する誤解を生み、猫を危険視する風潮を生む恐れがある。
それは野良猫の保護活動などにも、大きな障害となりうる。)

これらの理由から、譲渡の方向に検討頂くことを強くお願いする。
(今後の処遇は、一週間後に確認の電話を入れるとして話を終える。)

●特別養護老人ホームでは、
メディアには、状況を説明しただけで「猫が犯人」とは言っていないとのこと。
また、そのような認識も持っていないとのこと。
(以下、状況。)

・ 中庭に、2週間前から猫が居た。
・ 中庭は、建物に囲まれ、その中を通らないと外に出られない。
(従って、猫は2週間なにも食べていないことになる。)
・ 網戸は、以前から穴が開いていた。
(ほころびていた。)

いずれにしても、
中庭に閉じ込められ、2週間なにも食べられない猫が居て、
建物の中には、寝たきりの老人が居るという状況はごく特殊な状況。
この状況自体大きな問題であり、疑われた猫に問題があるのではなく、
それがどんな動物であれ、ホーム側の大きな手落ちであり、
すべての責任があるということ。

従って、一般にはありえなない猫への誤解を与え、
大きな波紋を広げたことを、「すみません」と謝罪。

以上、正しい事実関係他を報告いたしました。



野良猫保護・管理ボランティア 瀬川  努

classis@m13.alpha-net.ne.jp

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■今回、以下の報道の問題点を指摘させて頂きました。

H17 10/14

1、警察は、猫と断定してないこと。
2、網戸は、元々ほつれていて動物が破ったのではないこと。
3、猫は、建物に囲まれた中庭に、2週間閉じ込められていたこと。
4、2、及び3、の状況からホーム側が、たとえどんな動物が犯人であれ、
ずさんな管理に原因と責任があるとして謝罪したこと。

今、「犯人は誰か」といった点に焦点があてられていますが、
以上の状況から、問題の本質はホーム側のずさんな管理にあること。

猫が、凶暴なのではなく、どんな動物も、
そして人間でさえ2週間閉じ込められ絶食させられていては、
思わぬ事故は起こりうること。
そうした状況下、網戸がほつれたまま放置され
その中に、身動きできない寝たきり老人が置かれていたことの異常さ。

これが、今回の事件の焦点になるべきこととご理解頂き、
猫や他の小動物が凶暴という誤った認識を与えるのではなく、
新聞の使命として、こうした管理のずさんさへの警鐘を、
社会に発信して頂きたく、お願い申し上げます。


野良猫保護・管理ボランティア

瀬川  努

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■最終報告と、真実 “それでも猫は襲わない!” NEW

H17 10/22

≪最終報告≫

事件も、2週間経って収まってきた感があります。
私の方は、とにかく事件の進行に間に合わず、常に後追いになってしまいました。

警察へは、申し入れをしても、
すでに前日愛護団体さんの要請に合わせ、最終結論を出した。
それ以上は受けられないとのこと。

新聞は、全国すべての配信元6社に話を通すだけで一週間以上かかってしまい、
こちらも記事の後追いに。
記者と話すにも、社には夜の8時、9時に戻るか、戻ってこないか・・・・、
なかなか捕まらない。

一応、事件のレポートや記事の要請は、
ファックスで送り話もさせて頂きましたが、なんせ彼らは忙しい。
じっくり落ちついて、一つの記事を書く環境にはないようです。
(これでは、社会に流されてしまう。)

記事の約束は、共同通信だけが書くと言って下さいました。
(センターに引取られた、猫の落ちつき先が決まるのを待って書くとのこと。)
この共同通信は、北海道から沖縄までの地方紙へ配信。

今回は、自分の力のなさを痛感・・・。
(申し訳ありませんでした。)

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≪伝わらなかった真実、”それでも猫は襲わない!”≫

●今回の事件を振りかえると、

・ 猫は、建物を通らなければ入れない庭に閉じ込められ、
2週間なにも食べていなかった。

この事実は、すべての記者が知りませんでした。
(あきれます!)
そこで、掃き出しの窓の網戸がほつれていて、
侵入するのは、外へ出たい食べ物が欲しい猫にとってはごく自然なこと。
(それは、どの動物も、人間でさえも同じこと。)

・ この庭は、すべて舗装されていて動物が隠れるところはない。
猫は、水道栓の横に開いた穴に居たのをホームが放置。(刑事も確認。)

これも、すべての記者が知りませんでした。
(さらにあきれます!)
警察は、人間がやったのではないと、内部犯行を否定。
そして、猫の可能性が大きいと・・・・
(現場検証、状況証拠、医師の証言などから。)

●以上の事から、以下を再三訴えてきました。

・ 現場の状況では、どんな動物も人間でさえも、思わぬ事故は起りうる。
・ 従って、全てホーム側の管理責任であり、ホームもそれを認め謝罪している。

(ホームは、新聞社に謝罪文を提出したが、
一切、記事にはしてくれなかったとのこと。)

●それでは、猫は、人の足をかじったか?

警察は、その可能性を指摘・・・・
しかし、それがたとえ事実だったとしても、
現場の状況からは、決して、“人を襲ったのではない”ことが伺われます。

・ 高齢寝たきり女性の足は、当然血行も滞り、生気も落ちている。
(指先は、壊死していたかもしれません。)
猫がかじったとするなら、それは“生きている人間”とは認識しなかったから!
(そのことは、足の指先だけが失われたことからも推測できます。)

・ この高齢女性は、140cm台のごく小柄な方。
足の指先も、1cm程度だったでしょう。
それは2週間も食べていない猫にとって、お腹の足しになるものではありません。
でも、それ以上は失われていなかった!
食べようとするなら、もっと食べるところはあっただろうに。
(不謹慎な言い方で、申し訳ありません。)

だから猫は、“生きている人間”をかじった(食べた)のではない。
彼らは、長い歴史の中で人間と共に暮すようにつくられてきた動物。
“決して、人を襲うことはありません!”

こういった状況、様々な現場の事実は誰にも伝わらなかった。
それは、この事件がなんの教訓にもならないことを意味してます。

報道機関は、猫への大きな誤解を残し、事故再発防止の使命も果たさず書き逃げ。
表面的で興味本意な記事は、社会に白々しさを残したことも否めません。
もし正く伝えられていたなら・・・・・、悔しさが残ります。

結果として、多くの方々の抗議が猫を救ったことは、本当に良かったし正しかった。
この事件は本来、猫の問題ではなく管理の問題だから!
そして命も生きることも、もっと複雑で深く、それを簡単に奪ってはならないからです。

(最後に、怪我をなさった方の、1日も早い回復をお祈り申し上げます。)


野良猫保護・管理ボランティア

瀬川  努


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