■ぎっくり腰について■
が急に痛くなり、
場合によっては身動きできなくなる程の激痛が走ります。
日本では欠勤理由の1位が「腰痛」であるにもかかわらず、その原因や起こるメカニズムなどは未だにはっきり
解明できていません。
それは激痛にもかかわらず、レントゲン検査では異常がみられないことが多いからです。
ここでは考えられる原因をひとつづつ挙げて解説していきます。
@腰椎捻挫(ようついねんざ)
主に重いものを持った時や、前かがみで物を取ろうとした時に腰に激痛が走るタイプです。
捻挫とは、関節が『本来曲がることができる角度』以上に曲げられたときに起こるもので
足首の関節などによくみられます。
関節が瞬間的に過剰に曲げられることで、骨同士をつないでいる靭帯(じんたい)の一部が切れて炎症が起きますが、
骨には異常がないので、レントゲン検査では異常は見られません。
更に足首の関節の捻挫なら腫れるので見ても分かりますが、腰の関節は奥にあるため、腫れが分かりにくいのです。
しかし、触ってみると若干盛り上がっていたり、やや熱感があったり、筋肉が異常なほど固くなっているのが分かります。
足の捻挫ならば、歩かなければ激痛は来ませんが、腰の捻挫は起きる・立つ・寝返りの他にもセキをする、くしゃみを
するなどあらゆる動作で痛みが発生します。
一般的な腰椎捻挫は一週間ほど安静にしていればある程度動けるところまで改善します。
これは足関節の捻挫と同様、靭帯の炎症が収まってくるからです。
ただし、一度ひどい捻挫を起こすと、靭帯が伸びたままになるため、次回は一回目よりも簡単に捻挫しやすくなってしまいます。
「ぎっくり腰がクセになる」と言われるのはこのためです。ゆえに何度もぎっくり腰を繰り返すと、どんどんぎっくり腰に
なりやすい体になってしまいます。
逆にぎっくり腰にならないようにするには「ぎっくり腰にならない期間を長くして、伸びた靭帯が自然に戻るのを待つ」
しかありません。
長い期間(3〜5年)ぎっくり腰にならなければ、伸びた靭帯は少しづつ縮んでくるので、多少ぎっくり腰にはなりづらくなってきます。
捻挫によるぎっくり腰はその人によってなりやすい格好というものがあります。前かがみでギクッとなったとか、ねじった格好で
ギクッとなったとか、なりやすい格好があるはずなので一度やった格好は自分で注意する必要があります。
よく「同じ仕事をしていてもぎっくり腰になる人とならない人がいるのはナゼ?」と聞かれますが、それはその人がたまたま
捻挫(ぎっくり腰)を起こしたことがないというだけで、何度かひどいぎっくり腰をやれば、たちまちその人もクセになることは
確実です。
腰椎捻挫の治療方法は痛みの程度によって異なります。
自力で動けない場合は、針による鎮痛と灸による消炎を行い安静にさせます。
自分でベッドに登れるようなら痛みで固くなった筋肉を緩め、痛みと炎症を抑えるために針灸を行います。
腰椎捻挫は痛みは激烈ですが治癒するのは早い(2〜6日)ことが多いようです。
A筋・筋膜性腰痛
ぎっくり腰ではこれが一番多いかもしれません。これは筋肉を包んでいる筋膜というオブラートのような膜に炎症や
亀裂が起きた状態です。
病院で「筋・筋膜性腰痛」といわれるものがこれに相当すると考えます。
肉離れと同じ分類にされることもありますが、肉離れは筋肉が断裂する状態ですからそこまでひどくはありません。
筋膜が裂けるので「筋膜裂傷」と呼ばれることもあります。
よく鶏肉のささみなどで肉の表面にオブラートのような薄い透明の膜が見られますが、あれが筋膜です。
筋肉が伸び縮みすると筋膜も一緒に伸び縮みをしますが、伸ばしすぎやねじりすぎなどで筋膜が裂け、痛みが出るぎっくり腰です。
このぎっくり腰の痛みは筋膜が裂けた直後に出る場合もありますが、数時間から半日位たってから痛くなる場合もあります。
捻挫のようなグキッという音は鳴りませんが筋膜が裂ける時プチッ・ヒュッ・ピンという音が聞こえることもあります。
筋膜裂傷のぎっくり腰は、動けないほどひどくはなりませんが、裂けた筋膜を伸ばしたりねじったりする動作で痛みが増します。
具体的には立ち上がる時・前かがみ・後ろにそる・深呼吸などで痛みが増すことが多いようです。
筋膜裂傷のぎっくり腰は腰椎捻挫と違ってクセになることはありませんが、仕事によって特殊な動きをする方や同じ動作を
くり返す方などは何度も同じ箇所を痛める場合があります。
どちらかというと体が固い方や寒い所で働く方に多く、疲労などで筋肉が固くなると起きやすいぎっくり腰といえます。
この腰痛は、裂けた筋膜の位置を特定できれば割と簡単に治癒します。裂けた箇所のマッサージなどは避けて針灸で炎症を
抑えていきます。強い痛みは数日で消えますが、まれに重苦しい感じが半月ほど残る場合もあります。
また類似のものとして、筋肉が硬くなりすぎて柔軟性を失い痛むものもあります。これは「筋性腰痛」といわれるもので、
触ると筋肉が硬くなっている部分が必ずあります。無理な姿勢を続けていたり疲労が蓄積しているときに起きやすいようです。 これも針灸が得意とする症状で、目的の筋肉をゆるめてやることで症状は改善されます。早く治療すれば1、2回で治る場合が
多いのですが、痛いのを我慢していると他の筋肉も硬くなるため少し時間がかかる場合もあります。
B椎間板症
これはそれほど多いタイプではありませんが「どのようにしても腰が常に苦しい」と訴え、立ち上がるときに膝に手を当てながら
伸ばすタイプのぎっくり腰です。
原因は骨と骨の間にある椎間板(ついかんばん:クッションの役割をする柔らかい軟骨)が圧迫されることにより起こります。
よく耳にする椎間板ヘルニアとはつぶされた椎間板の中身が飛び出してしまった状態ですが、そこまでひどくはない状態です。
実は椎間板には神経が通ってないので、いくらつぶされても痛みは感じません。ですが、圧迫されることで周りの骨や靭帯、神経に
炎症が起こり、痛みの原因になると考えられます。
この椎間板症は腰の激しい苦しさが特徴で、横になっても苦しくて寝ていられないほどです。
「痛い」という表現ではなく「苦しい」と表現される患者さんが多いのが特徴です。
病院での治療は安静と痛み止めですが、それだけではかなり時間がかかります。
マッサージで筋肉をゆるめてから矯正して骨を伸ばしてやると早く楽になります。
さらに圧迫された椎間板部分には必ず圧痛(押すと痛む)がありますから、そこに針灸をすることで炎症も早く治まります。
椎間板症は早く治療を始めれば数回で苦しさは取れますが、ガマンしてひどくなると10日以上かかることもあります。
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