遊撃軍

 

関東地方に台風の接近していた9/20、我らが師団マルコビッチは目的地に到着した。

本隊より一日早く作戦を開始せねばならないので、皆、緊張している。

バイク部隊のワシは鶴川街道が滅茶滅茶混んでいた為、予定より5分程遅れて到着。

待機場所にはスデに作戦を成功させる為に、皆、集まっている。台風が来ているというのに、気合い充分だ。

横になってパソをいじったりテレビを見たりしている。

・・・・早朝集合をちゃんとしていて、気合いは充分なのだが、やる気というモノは無いみたいだ。・・・

まあ今日のミッションは『三鷹・マンガ喫茶・自由空間・オープン記念・賑やかし楽器隊&ビラ配り部隊』といったモノなので、台風の迫ってきている中でやるモノでは無いのだろうが。

大体が人が歩いていない。

三鷹駅の方であったらもう少し人通りもあったのであろうが、ロケーションが、東八道路沿いの三鷹のハズレ、といったあたりなので、大概が車で移動している。

しかも雨が振っているわ眠いわで我が師団マルコビッチは大変だ。

 

士気を高める為に、用意されていた服に着替える。

 

ますます士気が萎える。

しかしミッションは完遂しないとお金にならないので、とりあえず、やる。

 

やる事はベースレスの、菅×3本、スネアー、といったディキシー・スタイルで練り歩く、といったものであったが、道路許可証は貰ってあるものの、実際に練り歩くのは、不可、となってしまっていた。

ディキシー・チンドンは東八沿いでは許可されないらしい。

一発目、用意されていた楽曲をやり、皆、飽きてしまう。

ナゾのブルースをやりつつ、テーマ吹いて、オワリ。

終わって、昼だ。メシメシ。

メシをどうするか、というのも重要な問題である。

『ジャンケンで負けた奴が、その格好でコンビニに買いに行く』

というアイディアも出たのであるが。

マンキツの人が、冷凍のメシを出してくれたので、そいつでオッケイ。味が濃い。いやいや贅沢をいってはいけない。

喰っている間、ズン・グラグラグラと来て、ワシは『お、でかいダンプが通ったな』とか思っていたのだが、地震だった。

 

『・・・・・ワシらはこの格好で死んでしまうのか・・・・・』

 

レインボー・カラーの全身タイツで身を包み、『自由空間』のコンクリに潰されて一完のオワリー、ま、それもいいか、などと思っていたのだが、そうもならず、NHKをつけ、地震情報を待っていたりする。ハハア、千葉沖ダネ、などと、結構どうでも良い会話を繰り広げ、まったりとする。なんせ、台風に地震だ。『地震・カミナリ・火事・オヤジ』『オヤジ』は一杯いたので残るは『カミナリ・火事』が揃うと役萬だ。

しかも、寒くて寒くてしょうがない。

仕事を取ってきたバニーちゃんはガクガクブルブルと震えている。

こちとらは演奏しているので多少体が暖まるのだが、チラシを配っているだけでは暖まりようがあるまい。

かぶりもののライオン君も、雨でぐちょぐちょだ。

こちらも指先が言う事をきかなくなってくるのだが。

お仕事お仕事。

お金が発生するのであれば、もう、ナンでもやりますよー。

お金は高ければ高い程良いが。

 

まあ大体が、『変な格好をして演奏する』というのは P-FUNK 以降、半ば常識として定着しており、ファンキィなミュージシャンは大概変な格好をしてプレイしている。

アフロ・ヘアーにブリーフを被っていた『C-FUNK』とかいうバンドもいたな。

その昔、ラリーちゃんと一緒にやっていた『スラット&スラッシュ』などというバンドがあり、解散するまでそこの最終的なホーンを担当しておったのだが、先代が、まるちゃん、と言う人で、余り詳しくは知らないし、大体知ったこっちゃナイ、という人であったのだが。

その人は、『牛の着ぐるみ』を着て、クアトロ内をフリーキィなサックスを吹きながら(音はトランスミッターで飛ばしていた)踊りまくる、というような人であったので、今ではすっかり気が触れてしまっている事であろう。

良く言うと『牛の格好をしたレニー・ピケット』であったな。

ウマきゃあ、イインだけどなあ・・・ちょっとネ、ま、この・・・

といった影響を受けながら、自分でも『変な格好』を次第に取り入れて演奏をしているので、まるで違和感が無い。

『服に着られてしまう自分』がそこにいる、とでも言おうか。

東急ハンズ御用達の品々、金髪のヘビメタ・カツラ、アヤシイお面、金のハッピ、乱交パーティで使われるバタフライ、スパン・コールの帽子、などはもちろん取り入れ、そのうちに自分の髪型までいじりだしてしまったのでもう収拾がつかない。

金髪・長髪・ラスタ・アフロ・スキン・などという髪型は一通りやってしまったので、もうイイヤ。飽きた。

おしむらくは『塩沢トキ』の頭はしていないので、そこいらぐらいかなあ。

ナンでも似合ってしまう。

なのでファッションにはまるで興味が無い。

人々の制服は『全身タイツ』で良いのではないか、などとも思う。

仕事をしている間は、全身タイツ。

税金を投入されている銀行なぞは、スベテ、行員、全身タイツ。市役所なぞもスベテ全身タイツ。わかり易い。

国会なぞもスベテ全身タイツ。共産党は、赤の全身タイツ。わかり易いや。

普段はエラソーな格好をしていても良いが、仕事の時は、全身タイツ。

すると、お金にならないビッグ・バンドとかは、全身タイツを着る人と、着ない無い人が入り乱れて面白い。全身タイツを着てプレイしている人は、お金が発生している、というワカリやすさがある。皆、全身タイツを着ているバンドは相当素敵なサウンドを出すに違い無い。全員プロだからな。

ヤクザがシノギをやっている時は全身タイツ。後ろに竜の図柄だとワカリ易い。『債券の回収です〜』とかね。

かように『作業中は、全身タイツ』とシステムは『仕事をしている人』のトレード・マークであり、決して『趣味』の人は、着れない、という事にする、というシステムなのだが如何だろうか。

 

現在の全身タイツは趣味の人か。イヤ、ワシは仕事だった。

えーと、どっちだ。

 

とりあえず税金で喰っている仕事をしている奴らは、全員、全身タイツ。税金で支給します。

自衛隊は銀色でヨイのではないかな。キラキラ光るヤツね。もちろん税金で支給しますよ。

イラクで飛行機から降りて作戦を展開している時、宇宙人に間違えられる事、間違い無し。

銀色の集団が土嚢を運んでいる風景を見てみたいものだ。

 

ドロボーとかは黒の全身タイツに風呂敷、ネ。ヒゲも描いてね。丸いヤツ。

 すぐに捕まるか。

 

まあ今現在、そんな法案は影もカタチも無いので、コンビニで全身タイツを見かけたら『何らかの罰ゲーム』だろうと思って下さい。

コンビニの店員も、ヤ、だろうな・・・

 でまあ、半年経った現在、我がマルコビッチ遊撃軍は、再結成の話も無く、それぞれ忙しそうにしていたりするワケでございます。

再結成はかなりのギャランティが発生しますので奇特な方は是非どうぞ。

 

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