|
「護身術」 護身術というのは、まあ婦女子護身術とかいったものもあるわけですが、比較的運動能力が低い人を前提とした格闘術ということになろうかと思います。 したがって、相手の息の根を止めるというよりも、相手の五感を潰して行動不能にしたり、逃げる時間を手に入れるといったことを目的とするノウハウが主体となります。 つまり、いかにして危地から逃げ出すか?という技術体系でなければ護身術たりえないということで、相手を殺すことが目的ではなく自分が生き残ることが目的ということです。 もっとも、柔道、空手、合気道といった代表的な格闘技から護身術を再編成したというものもたくさんあり、それなりに実用的ですが、やはりそれなりに無理があります。 総合格闘技で、空手やキックの選手が柔術の選手に一方的に極められた時期があったように、一定のルールを前提に進化してしまった格闘技には盲点のようなものが存在するということです。 仲間内では、暗黙の了解でそうした攻撃はしないことになっているとでも言いましょうか? 一番分かりやすいのが、多人数に襲われたときという前提で、日頃からこのシチュエーションで練習しているといえば合気系くらいではないかと。 しかも、その合気系にしても多人数が捌けるようになるといえば数年の修行をこなしてなおかつ才能と体力がある人なわけで、いわゆる師範クラスでさえ実用度には?が付くことが珍しくありません。 まあ、武道というのは正々堂々と一対一で雌雄を決するものかもしれませんが、町中の喧嘩や強請たかり、あるいは強姦魔となると、襲う側は如何に多対一という状況を造るかに腐心するわけです。 奇妙なことに、襲う側は、スタンガン、催涙スプレー、警棒、ナイフや包丁・・・と準備万端整えていても捕まらず、一般人が護身用の武具を持っていると捕まるという捻れ現象が起きています。 で、役にも立たない防犯アラーム(警報機)をお守り代わりに持たされて、他人を頼りにしろと教えられているわけです。 防犯アラームの弱点は、ピンを抜いたりするセーフティ解除の手間が数秒かかることと、そのために防犯アラームがどこにあるのか感知されてしまうこと。 日頃から、気軽にピンを抜いてといった練習をするわけにもいかないため、実際にそうしたシチュエーションに陥ればアラームが鳴り響くまでに相手が刺したり殴ったりするには十分な時間があったりするわけです。 仮に、防犯アラームが鳴ったとしても、踏みつぶしたり冬物の衣類などでくるまれてしまえば無音化ないし減衰されてしまいますから実用性には疑問があります。 防犯アラームにしても、相手との間合いを図るという練習が不可欠なのですが、えてしてそうした機材を持っているから大丈夫とか安心という心理的な陥穽に陥りがちです。 護身術で一番笑えるのが、相手の逆関節をこのようにとってとか延々と解説しているパターンで、そんなに都合良く相手が反応してくれるとはとても思えない道場稽古が得々と語られたりしています。 また、金的や目つきといったスポーツ競技としてはいわゆる禁じ手になっている技をこれまた得々と解説している場合もあるわけですが、これも相手がよほど間抜けで無い限り素人が成功する可能性はかなり低い技となります。 例えば、金的(ようするにタマタマを蹴飛ばす)を攻撃するという技(?)を護身術の教本では、相手がこのように殴ってきたら体をかわし前の手で相手の手を弾きながら足の甲で蹴る!とかいった与太話が真顔で解説されていたりします。 しかしですなあ、相手のパンチをそんなに綺麗に捌けるくらい身体能力に差があるのなら金的を蹴らなくても制圧できてしまうんですなこれが(笑)。 相手より弱い、相手より遅い(とろい)という人がいかにして逆転するか?というのが護身術だと思うんですけどね。 自分が金的や目付きを使えば勝てると思っているのと同じか、それ以上にえげつのない手練手管を相手が持っているとしたら?護身術がパターンでは教えきれないと私が思う所以がその辺にあるわけです。 では、具体的にどうするのか?そうですねえ、長くなってきたし、ここから先は顧客の皆様だけに限定公開ということで(笑)。 もっとも、自分の手口を知られないというのも護身術の基本の一つなんですけどね。 (2004/05/02) |