|
「護身ビクス」 定義的には、エアロビクスに護身術(空手らしかった)を加えたもので、条件反射的に反撃できるようになる ・・・ らしい。 で、例によってどうよこれという話があったので、今回はこの話 ・・・ ま、営業妨害にならない程度に(大笑)。 護身術そのものはナンセンスなものが多いという話はこれまでにも書いたけれど、一番怖いのは護身術を習ったから大丈夫という思いこみ。 また、問題だなあと思うのが、護身は防御であるとかなんとか言い逃れを教える側がしているケースが多いこと。 なぜ言い逃れかと言えば、どんな相手であっても逃げることができるだけのノウハウを教え込まないのならそれは護身でもなんでもないわけで、それでいて”護身”という言葉を使うのは誇大広告だろうということ。 全てが全てそうだとも思わないけれど、目にしたビデオは酷いもので、後ろから襲われたときに腕を体の前で交差させて防いで云々とえんえんとやっていた・・・死にたいらしい。 あっさりいえば、後ろから体格に優る相手に抱きつかれたらお仕舞いで、特に、女性が男性に抱きつかれたらまず勝ち目はないし、抱きついてきた方に知識が有れば、後手に回った段階でどうにかできる確率は下がっていく。 これは襲われる相手が女子プロレスラーであっても共通して言える真理であると明記しておこう。 ましてや襲う側がスタンガンや催涙スプレーの類、あるいは適当な長さの棒を持っていると想定するだけでも後ろから抱きつかれたときにというシチュエーションの無意味さがわかるのではないかと。 後ろに回り込まれたり、後ろから忍び寄られたりするのに気が付かない段階で護身をあれこれ言うのはナンセンスで、後ろから襲いかかられると感じた瞬間、殴ったり蹴ったりしなくても前方に飛び込み前転の要領で体を回転させるだけで、ほとんどの襲撃方法の最初の一撃をかわすことは可能です。 ちなみに、後ろから襲いかかる場合、腰にタックルして前方へ崩す場合と、髪から肩口にかけて掴んで後ろに引きずり倒す場合に大別されますが、手慣れた人だと、いわゆる膝かっくんの要領で膝の裏側に蹴りを入れて咽をとって斜め後ろにたたきつけるくらいのことはやってのけます。 少なくとも、背後からの襲撃をパターンで対応するように条件付けするくらい危ない話はないわけで、間合いを確保する方が先だと私は思います。 襲ってくる側は、よほどの素人でもなければ、長くても30秒以内に決着を付けようとする傾向がありますし、実戦を想定していたら瞬殺を試みますので1,2,3の4,5,6といった対応はナンセンスの極みなのです。 実際、○拳法2段という腕に自信のある20代の女性が格闘技には素人の男性に後ろから襲われて殺害された事件も過去にはありましたし、バラエティ番組で○流合気道2段というやはり女性が若手お笑い芸人が襲ってきたら身を護るというコーナーでは最終的に押し倒されてしまいました。 もちろん、無条件で女性が男性に組み伏せられるというものではありませんし、襲ってきた男性を柔道技で投げ飛ばした話は珍しくありませんが、かなりの比率で男性の体力というか筋力の前に、標準的な女性の技や筋力は無力化されます ・・・ 技は力の中にありは至言なわけです。 考えてみればあたりまえですが、実際にある程度本気でかかってくる男性相手に稽古をする機会さえ無いのに、実戦で本気モードの男性を制圧したり捌いたりすることができると本気で思う方がどうかしているなと。 ジャズダンスやエアロビクス、あるいは健康体操の延長程度のことを教えて、護身術講座ですというくらい危ない話はないわけで、よほど相手との距離を如何に確保するかとか、どういう風にアラームを使うとか、効果的な護身用具の選び方・使い方といった現実を見すえたものでなければ意味がないと。 ダイエットと護身を同時にあれこれとかいったキャッチコピーも結構だけれど、これだけ世の中が物騒になって、今後も治安の悪化が見込まれる御時世に中途半端な護身術くらい犯罪被害を誘発するものはないだろうなと。 しばしば、そうした教室で急所攻撃云々を言い、急所を攻めれば非力な女性でも大の男を制圧できるかのような寝言を平然と口にする指導者がいるわけですが、そうした指導者が実際に制圧した経験があるのかというと、これが仲間内でとか道場内でとか、襲われるシチュエーションがわかっていてといったかなりお寒い状況な事が多いようです。 繰り返しになりますが、”襲う側の男性が単独で素手なんてことは希な時代”で、某大学のサッカー部が一人の女子高生を20名近い人員で7時間近く集団レイプする時代にはそぐわない認識だなと。 ましてや、自分に体力や筋力が無いことを自覚している若い衆達の場合、徒党を組むのが当たり前なわけで、徒党を組めば組んだで、ナイフやスタンガンなどの凶器を持ち歩くようになるのも当たり前といえば当たり前の風潮なわけです。 下手な腕自慢は命に関わるし、抵抗しなければしないで集団レイプされたり滅多刺しにされたりする危険もあり、そこで身元が押さえられたら後々までつきまとわれるわけですから、そうとう腹を括って対応を考える必用があります。 現実問題として、列車の中で若い衆が集団で女子高生を数十分の間平然と痴漢していても乗り合わせていた他のオトナの客達は見て見ぬ振りをした事件が発生したわけで、かなり派手な立ち回りをしなければ外部からの助けは期待できない時代になっているということでしょう。 こうなると、(個人的には使用に難があると思うのですが)催涙スプレーの類をお年頃の女性は所持し、自分も多少は被害を被っても躊躇せずに使う訓練がまず必用だろうと。 防犯ブザーなどの類は、善意の第三者が助けてくれるという前提では有効な防犯グッズということで、周囲の大人達が見て見ぬ振りをする社会では防犯ブザー業者を儲けさせるだけの気休めグッズに過ぎない(こともある)ということに留意しましょう。 分かりやすく言えば、過去の犯罪に見られるように人気の無い田圃の真ん中で防犯ブザーが鳴り響いても犯罪の抑止効果はほとんど期待できないということですし、都会でも防犯ブザーが無効化されるシチュエーションは(具体的に解説すると悪用されかねないのでしませんが)たくさんあります。 ただ、そうした被害にあっている人を見捨てた人達は、自分や自分の家族がそうした被害にあったときに世間様をあれこれ非難するのはよしましょう・・・自分がやらないボランティアの正義の味方の役を他人に期待するだけ野暮というものです。 もっとも、そうしたトラブルの仲裁が難しいのも事実で、できるだけ単独ではなく周辺の人を巻き込んで大人数で介入する必用があります。 実際、公園で絡まれていたアベックを助けに入ったら、さっさとそのアベックは逃げ出して助けに入った側が警察に暴行容疑で逮捕されたという実話(ちなみに、そのアベックは後で戻ってきて警察に事情を説明してということにはならず行方をくらましたままであった)がありましたし、現在の腕に自慢がある人達でも介入を嫌がる風潮というのは一朝一夕でできあがった物ではないなと。 自分の知り合いや親族が被害にあっているならともかく、赤の他人を助けに入って犯罪者扱いされてもなあという知人は多く、彼等がそういう態度をとるようになった責任の一旦は少なからず警察の姿勢にもあったなと。 また、犯罪の手口はまたたくまにネットや携帯メールを経由して広がり、防犯対策や犯罪捜査の盲点や弱点の研究が盛んに行われていて、マスコミの実録警察○時みたいな番組で取り締まる側の手口が公開されている現状で、犯罪が広がらない方がどうかしているとも言えると思います。 警察の鑑識などが数ヶ月とか数年かけて編み出した鑑識ノウハウがTVで放映された瞬間、それを如何に回避するかという研究が始まるようで、そうなると翌週くらいには回避を試みた犯罪が発生し、それが成功するとまたたくまに伝播するという鼬ごっこのサイクルが極めて短くなってきているなと。 護身という事がかなりリアリティを持つ時代だけに、中途半端な護身術や護身教室で妙な自信だけを付けるくらい危ない話はなく、いわゆる生兵法は大けがのもとを地で行きかねないなと。 いわゆる柔道、空手、合気道といった武道が、ある程度なんでもありの大会ではほとんど何もできずに敗れ去った現実があるわけで、ルールが無い戦闘にパターンで対応なんてことを真顔で言うのは詐欺の一種ではないかと。 まずは、防犯グッズや護身グッズの使い方を学習させ、体術的な動きはその後に時間をかけて習得させたのでかまわないわけですし、逃げ足を鍛える鍛練の方がエアロビクス的な要素を云々したりするより前にやるべきことではないかと。 まあ、実際の役に立つとはとても思えませんでしたが、別に私が襲われるわけではなし、知人が感化されない限りど〜でもいいといえばど〜でもいいかなと。 ただ、武道を実用の役に立てようと思えば、その道のプロに付いても数年単位の修行が必用なわけで、カルチャー教室などで週に2回くらい数時間程度軽く汗を流すといったレベルでは何年やっても遊びと気休めということはわきまえておくべきでしょう。 まだ、ボクシングや柔道なんかの方が護身術として現実味があるよなと何本かその手のビデオを見て思ったのでした(笑)。
(2004/12/06) |