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怪しい話−362

「白いワニ」

 下水道には飼いきれなくなって洗面所やトイレから流されたワニが住み着いている。

 そのワニは、日の光の当たらない下水溝の中でネズミなどを食べて成長したため白い。

 というのが、白いワニの都市伝説である。

 ニューヨークあたりで語られ始めたともいわれ、この原型になった事件も実際に発生したともいう。

 映画にも、ペットのワニをトイレから下水に流し、下水溝の中に化学薬品が流れ込んで巨大化し、清掃局員を手始めに人を襲うというパニックものがある。

 もちろん、「ジョーズ」や「グリズリー」など動物バイオレンスの一つであり、アメリカンティストべっとりの作品であることは言うまでもない。

 さて、日本で白いワニが普及したのは、「ストップひばりくん!!」(集英社)で、原稿をおとしかけた江口寿が白い原稿にひっかけて登場させたものだろう。

 結果的に、「ストップひばりくん!!」はアイディアが枯渇したのか、2,3回落ちてしまい、江口寿が活躍できる場所はかなり限定されることとなった。

 まあ、最近はやや緩和されているようだが、”原稿を落とすと干される”というのは読んでいてわかるほど露骨な制裁行為であった。

 それはともかく、白いワニはしばらく下水道の片隅に潜伏することとなる。

 かくして、集英社を戦慄させた白いワニの封印は小学館が開封することとなった・・・パトレイバーの暴走である。

 ちなみに、パトレイバーでは白いワニをメインにした話が2作品あるが、パロディ色満載である。

 パトレイバーWを作ることが有れば、是非、白いワニで作ってもらいたいものである。

 さて、白いワニというのは大量発生したから遺伝特性と見て、アルビノでいわゆる白子(精巣の”しらこ”ではない)だろうと思われる。

 日本では、石神井公園のワニ騒動が有名だが、残念ながらそこで見たとされるワニは白くはなかったようである。

 飼いきれなくなったペットを棄てるということでは、最近ガメラのモデルで有名なワニガメを棄てる不届きモノが多いのだそうで、意外と野生化して空を飛ぶようになるかもしれない。

 この手の話では、熱帯魚の不法投棄が以前から知られていて、エンジェルフィッシュが釣れたり、ピラニアが釣れたりするシュールな川があるという。

 ちなみに、日本の気候ではこうしたものは越冬できないとされているのだが、工場排水やら家庭排水やらで温水域ができていると越冬して繁殖もしているという。

 ブラックバスの不法投棄というか、確信犯的な不法放流は国内の湖沼の生態系にかなりの影響を与えたとも言うが、一度定着すると取り返しが付かない事は多い。

 ブラックバスは生態系など破壊していないという主張もあるのだが、ブラックバスが水だけ飲んで大きくなる魚ではない事から考えればそれは強弁というものだろう。

 スポーツフィッシングでキャッチアンドリリースしている私たちは、魚を食べるなどという野蛮な行為を行っている人よりも人格的に優れているという高邁な御意見もあるだろうが、あの切れた釣り糸や弁当ゴミの類の放置を見る限りにおいて説得力が無い。

 基本的に、食べない魚は釣るなというのが私の持論である。

(2002/12/02)


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