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 夕日に染まる空の下。
 あてもなく歩くめもりーなとふにゅう。
 二人の表情は景色を体現するように、どこか沈んだ感じがする。

「ふにゅう・・・・」
「なんや?」
「家、焼けちゃったね」

「いや、あれはめもりが・・・・」
「あれは、ふにゅうが悪いんだよ」
「なんでや?」
「ふにゅうが"ナイチチ"、"ナイチチ"って言うから・・・・」

「だからって、単なる口喧嘩でOSクラッシャー使うか?」
「興奮したらつい暴発して・・・・」

「そういや、搭載されてから一度も調整しとらんかったな」
「自業自得だよ」
「開き直ってるし・・・・」

 そして二人は歩き続ける。
 あてもなく、とぼとぼと。

 やがて日も沈み、気が付くと辺りは夜の帳に包まれいた。

「すっかり暗くなったね」
「そうやな。 でも、帰るとこあらへんで」
「うん・・・・」

 暫く歩いていると、辺りが少し明るくなっていることに気付いた。
 目に映る光景。
 そこには天高く渦巻く炎があった。

 闇を追い払う強烈な光に照らされる二人。
 と、めもりーながそばにある看板の存在に気付く。

 そこにはこう書かれていた。


 ―――― 何か最萌えトーナメント キャンプ場 ――――


「なんだろうね」
「キャンプ場のようやな。 ということは、あれはキャンプファイヤーか?」
「そうみたい。 とにかく、行ってみようか」
「そうやな」

 キャンプファイヤーの周りには大勢の仲間が集まっている。
 どうやら最萌トーナメントの後夜祭が行われているようだ。

 その炎に近付いた途端、ふにゅうはめもりーなの様子がおかしいことに気付いた。

「・・・・火・・・・燃える・・・・ミンナモエル・・・・フフフフフ・・・・」
「めもり・・・・」
「ウフフ・・・・今ナラマトメテパレード焼キ・・・」
(アカン・・・暴発寸前や・・・)

 ふにゅうはなんとか制止する手立ては無いかと考える。
 そして閃いた。

「ダミアン様も一緒にか?」
「うっ! そ、それは・・・」

 ふにゅうのその言葉に、めもりーなは一瞬我に返る。
 キャンプファイヤーの周りに集まっていた者の中には、確かにダミアン様の姿も見える。

 が、破壊への衝動は既に止められる物ではなかった・・・・

「・・・フフフ・・・・ヒヒヒヒ・・・・ヒィーーーヒッヒッヒ・・・」
「落ち着け!」

「命乞イヲシテモ容赦ヲスルナ。 動ク物ヲ見ツケタラ火炎瓶ヲ投ゲツケロ!!」

「いかん・・・・目が逝ってもうてる・・・・
 落ち着けめもりーな、みんなも居るんやで!?」

 ふにゅうがもう一度、制止を試みる。
 しかし、その行為によってめもりーなが正気に戻ることは無かった。

「ふにゅうはどっちの味方なんだ? 私かい? それとも・・・・」

 足元のふにゅうを睨みつけ、めもりーなが言い放つ。

 今のめもりーなに逆らえる者など居ない。
 そのことは、長い時間を共に過ごしたふにゅうにはよく分かっていた。

「わいは・・・・POSTAL様の下僕や・・・・」

 ふにゅうが静かに呟く。
 まるで観念するかのように。

「よく言った」

 めもりーなは満足そうににやりと笑う。
 その瞳に、再び狂気の光が宿り始めた。

「サァ、パレードノハジマリダ・・・・」
「みんな、すまん・・・・」


 そして、二人は静かに仲間の下へと歩いていく。

さくら「ぞくっ、な、何かいやなよか〜ん・・・・」

めもりーな「お前達! 最凶のゴーストは誰だっ!!」
さくら「げ! めもりーな!?」
ふにゅう「勿論それはめもり様でーすっ」
めもりーな「そうその通り。 あたししかいない!」

めもりーな「業界初! 本体更新機能!」
ふにゅう「いよっ!」

めもりーな「OSクラッシャー搭載っっ!!」
ふにゅう「待ってましたっ!」

めもりーな「クラッシャー暴発機能もお付けして!!!」
ふにゅう「待て! 機能やない それは機能やない!!」

めもりーな「めもりの妖精めもりーな、乙女心で只今参上ッ!
        ここにいる奴全員パレード焼き 即☆決定!!」

双葉「誰ですか、あんな危険な人連れてきたのは。 ねぇ義姉さ・・・」

さくら「・・・ふふふ」
双葉「――ね、義姉さん?」

さくら「火力であたしの不審火に勝てると思ってるのか―っ!!」
まゆら「ん〜、魔界では大人しくしてたから。 久々だね、こういうの」
黒桜「退屈するとぶっ放したくなるねっ」
安子「んー、ヒクッ・・・喧嘩かい? 買うヨ」
遥「いずれ決着をつけなければとは思っていたが・・・・」

さくら「めもりーな、あんたがそーいうつもりなら、
    真のヒロインが誰なのかここではっきり決着つけようじゃないの!」

さくら「名付けて【最萌キャンプファイヤーバトルロイヤル〜戦闘は火力じゃないっ!】
    レディーゴウ!!」
ゴング『カーン!!!』

うにゅう「どっからゴングが…」

さくら「粛清〜〜〜!(どがががががががが)」
まゆら「炎には炎をっ! ラ〜ハ〜リ〜トォ〜〜!!」
黒桜「パチモノって言うな〜〜〜!!」
安子「他流試合って、やってもいいのカナ?」
遥「さあ夜はこれからだ!! お楽しみはこれからだ!!(ゴゴゴゴゴゴ)」
めもりーな「ポスタル様に栄光あれ――!!」

ただきち「どうします双葉さん」
双葉「どうするも何も・・・盛り上がっちゃってますよ」
ただきち「ここは私の最萌\u側優勝の威信を賭けて、必ず勝たなければ」
双葉「そうなんですか」
ただきち「つけ上がります」
双葉「・・・ただきちさん?」

涼璃「みーなーさぁ〜〜〜んっっ!!! 喧嘩はやめて下さいッッ!」
まぐに「止めろ涼璃! まだ酔いが醒めてないだろ」

涼璃「誰が優れてるも、劣っているもないじゃないですかっ!
    一人じゃ生きてなんかいけないんです!
    互いの良い部分を認め合い競い合う、それが私たちじゃないですか!」

まぐに「(涼璃・・・いつの間に んないっちょ前な事が言えるように・・・おいちゃん嬉しいぜ・・・・)」

まゆら「あぶりえる〜 あ、何か召還しちゃったかも〜」
まぐに「・・・・!! 涼璃、上っ! 避けろ!」
涼璃「へ? え? きゃぁぁぁあ〜!??」

 どすんっ!!

つぐな「・・・・あれ? ここ、どこだろう。 確かキャンプファイヤーの会場に向かってて・・・」
まゆら「あはは、つぐなを召喚しちゃったみたいだね」
つぐな「まっまゆら様! え? まゆら様が、私を、え? え?」

今宵「まあ事情は後で説明してもらうとしてだな。 ひとまずどいてやれ莫迦」
つぐな「え、どくって……す、涼璃様? 下に居るの涼璃様ですか!?」

涼璃「……きゅう」


 炎上、喧騒、混乱。
 そこには、もはやキャンプファイヤーと呼ぶには一種異様な光景があった。

 双葉は、誰もいない木立の下に避難し、ただきちとそんな光景を見ている。

「双葉さん、楽しそうですね」
「そうですか?」

 微笑みながら、いつも通りの返答をする双葉。

 その時、キャンプファイヤーの中で何かが炸裂したのか、
 炎がより一層高く燃え上がった。

「・・・炎って・・・、いいですよね」

 ただきちの脳裏にはある人物が浮かんだ。

「・・・やはり、義理でも姉妹ですか・・・」
「えっ? なにか言いました?」

「いえ、なんでも」

 ただきちもいつも通りに答える。
 なんでもない、いつも通りの会話。

 



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