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 てきぱきと料理をこなしていく愛理。
 ふと、キャンプファイヤーの方を眺めて都馬に話し掛けた。

愛理「それにしても、すごい炎になってるね」
都馬「これだけ煽る方々がいるのですから、当然です」

愛理「不審火って言いながら火炎瓶投げ込んだりしてたから・・・」

都馬「不審火と言うのは、原因不明の出火のことです。 この場合は火元は明らかじゃないですか」
愛理「それは・・・そうだけど」

都馬「さらに、表彰台を爆破されるとは思いませんでしたね」

愛理「新しい姉妹愛の形かな?」
都馬「そうとれる愛理さんに敬意を表します」

愛理「トーマはどう思ってるの?」
都馬「もはや姉妹喧嘩ではなく乱闘にしか見えませんが」

愛理「私たちも参戦しようか?」
都馬「止めはしませんが、どうなるかは目に見えてますよ。
   終わった頃にこのキャンプファイヤー会場が存在してるかどうか・・・」

愛理「・・・・トーマ、料理を続けよっか」


 ついに始まってしまった、史上最凶の姉妹喧嘩。
 ただきちとうにゅうはただ傍観するしかなかった。

 さくらの火炎瓶の応酬。 見事な体捌きで受け流す双葉。
 接近しての肉弾戦。 長距離攻撃。 空中戦。
 その華麗なファイトはギャラリーを魅了した。

 もちろん、闘争本能に火をつけられた者もいた。
 木村屋安子。
 彼女は今、全身を小刻みに震わせていた。

「ん? どうしたんだ千鶴さん?」
「めっ・・・目の前でこんな楽しそうな喧嘩を見せられてっ・・・
 ここで動かなかったら木村屋安子じゃねぇぇっっっ!!!!」

 とギコに言うが早いか、安子は猛ダッシュで闘いの中に飛び込んでいった。

「うわっ!!! 安子さんが飛ぶように出撃したぞっ!!」

 驚くギコの背後からまた一人飛び出す。

「・・・ここで倒せば、私が優勝・・・」
「黒姉・・・」

 さらに一人。

「おネーちゃんだけにはいい目は見せませんのですよー♪」
「ねここまで・・・」

「お祭りやぁっ、イェーイ。 バズーカぶっ放すでぇ〜」
「次郎ちゃん! 私達も遅れないでいくよっ!!」
「パレード焼きの時間っ!」

 ヒルデ、てるの、めもりーなと次々と出撃していく。

「あかん・・・・ もう誰にも止められへん」

 うにゅうは絶望した。

 そんな彼に追い打ちを掛けるように、

「私もいくよ〜♪」
「まゆら、あなただけに良い格好はさせません!!!」
「まゆら様、私も加勢させていただきます!」

 まゆら、あると、つぐならの参戦。

「ダミアン様、今こそ魔法を使う時だよっ!!」
「やめとけっ!行ったらあかんっ!」

 制止を振り切って駆け出す美耳。

「うちも負けへん」
「こら陽子爪は・・・て、お前、目ェ離した隙に呑んだな・・・」

 鬼姫出陣。

「皆さーーんっ! 喧嘩はいけませーーーんっ!!!」
「涼璃ーっ! お前が行ったらシャレにならねぇぇぇっ!
 レールガンにミサイルはしまえっ! 会場そのものをぶっ壊すつもりかぁぁぁっ!!」

 涼璃にまぐにの叫びは届かない。
 いまや全ての相方達は、とてつもない絶望感に襲われていた。

『あぁ・・・誰か止めてくれ・・・』

 だが、その願いも空しく、
 事態を悪化させる状況はなおも続く。


「なんか楽しそうなことになってるね〜♪」
「ウフフフ・・・そうですねぇ・・・」

 憔悴しきった相方達の横を、みぃとうさたんが通り過ぎる。

「また厄介なのがでてきたなぁ・・・」

 誰かが力なく呟いた。
 構わず二人は歩みを進める。

「わたしも遊んでこよ〜っと。 うさたん、メラゾーマとかいっくよ〜♪」
「火遊びはおねしょするといいますからねぇ。 フフフ」
「え〜 大丈夫だもん。 おねしょなんかしないもん」
「だといいんですけど・・・ この間も・・・」
「あ〜〜っ、それは言わないでって言ったのに!」

 みぃは困った顔をした。

「フフフ・・・だったら、どうするって言うんです?」
「何でそんな強気なの・・・」
「フッフッフッ・・・」

 みぃはさらに困惑したが、うさたんは意味有り気に笑うばかり。

「ねぇ〜、面白くないよ〜 せっかく来たのに。 ・・・じゃあ、うさたん♪」
「モンティノ!」
「・・・」
「・・・」

 虚しく時は過ぎていく・・・・

「うぅ〜、つまんなぁ〜い!」
「・・・だったら、子供らしく、邪魔にならないようにに遊んできたらどうですか?」
「やった〜♪」
「フッフッフッ・・・」
「それじゃ、・・・・・・か・め・は・・・・」

「どぉどぉん・・・ぱーーー!」

 みぃよりも速くうさたんの術が炸裂する。

 ちゅどーん

 みぃが吹っ飛ぶ。

「いったーい! ドドンパはだめだよー!」
「フフフ・・・まったくわがままですねぇ、怪我人が出たらどうするんですか」
「大丈夫だよ。 うさたんしか狙わないから」
「・・・」


 どんどん派手さを増していく闘い。
 同時に周りの被害も甚大だ。

「あかん、このままじゃあ収拾つかん・・・」
「元々収拾ついて無いだろっ! ゴルァ!」
「ただ、こうなることは十分予想できましたね」

 ただきちの冷めた言葉に一同はうなだれる。
 しかしその時、その中の一人ダミアン様は、はたと気がついた。

「そや、ちょっと危険な手やけど、なんとかなるかも知れん」
「ほう。 どんな手だ」

 今宵の問いかけに、ダミアン様は傍らで未だ燃え盛る物体を指差した。

「アレを使う」

 一同は戦慄した。

「それは危険だっ! やめろっ!」

 まぐには即答した。 一歩間違えば最悪の状況になる。

「でも他に手は無いよ〜」
「だがしかしっ・・・」

 ショータの言うことも確かだったが、危険だっ! 危険すぎるっ!
 しかもその物体は、焼かれていたせいか今まさに分裂しようとしていた。

「放って置いてもコレはいずれ脅威になる」

 黒うにゅうの言葉が突き刺さる。
 まぐには、仕方なく呟いた・・・

「ちっ・・・ やるしかないな」

 一同は火を消し、物体を引きずり出す。

「直接触るなよ」
「ううっ〜、気持ち悪いよぉ〜」

 いつの間にか廃材や薪を利用した即席の投擲機が出来上がっていた。
 物体をそれに乗せる。

「よっしゃっ! いくでぇ〜!」

 そして、投擲。

『Let's 豆乳!』

 ばしゅぅぅぅぅぅっ!!

 夜空に勢い良く放り投げられた物体は空中で分裂、四散し、
 戦闘を続けるさくら達に降り注いだ。

 そう、大量の汁親父が!

「うぎゃぁぁぁっ!! 汁親父が降ってきたぁぁぁっ!!」
「死なす死なす死なす!」
「こっち来るなっ! あんパンチ!!」
「嫌ですよ〜! 嫌ですよ〜!」
「お前らまとめてパレード焼きだぁぁっ!!」
「いや〜!! メラゾーマx5、フィンガーフレアボムズ!!」

 以下略。
 戦場はもはや表現できない程の阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

『最悪・・・・』

 相方一同は青ざめた。
 そんな中、ダミアン様が重い口を開く。

「・・・せやから、そんな手はあかんってあれ程言うたんや」
『言うてへんっっ!!』

 一同渾身の突っ込みでダミアン様は吹っ飛んでいった。

「みなさんも手加減するって事を知りませんねぇ・・・
 フフフ・・・彼に手加減も必要ないでしょうけど」

 うさたんの実も蓋も無い一言が空しく響いた。

 



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