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 目障りな汁親父が消えた事を確認し、愛理がタイミングを見計らって声をかける。

「皆さん、お食事を取りながらで結構です。 ここで都馬から何か、話したいことがあるそうです」

 そうみんなに告げる愛理の影から、一匹の犬がスッと現れた。

「ええ。 伺か世界の御意見番として、ちょっと一言よろしいでしょうか」
「デ○ィ・・・」

 双葉の突っ込みは無視しつつ、都馬は咳払いを一つして語り始めた。

「一言で申しましょう。 このキャンプファイヤーですが、収拾がつかない程『燃え燃え』してはいませんか」
『あ・・・・』

 全員の動きが止まる。

「最『萌』トーナメントだというのに、どうしてこうも『萌』が足らないのですか。
 女性の魅力は火力でどうなる問題でもありません。
 必要なのはエレガントな教養です。 例えば私のような」

「言ってくれるわね」

 愛理の突っ込みは受け流しつつ、都馬の語りは続く。

「最後までお聞きを。
 ならば正々堂々、自分が持っているスキルを全て引き出せば良い訳です。
 そこでおのずと、真の女性として相応しい方が決まってくるでしょう」

 そう言って都馬は勝手にうんうんとうなずいた。

 ギャラリーは一気にざわついた。
 そして、その疑問を奈留が尋ねる。

「うん、何か凄いね。 それでどういう方法にするの?」

 都馬は待ってましたとばかりに語りだす。

「酒宴における一発芸。 これこそ最高に女性の魅力を引き出すと見ました」
「結局、酒のつまみが欲しかっただけなのね・・・」

 愛理はやっぱりねと呆れ果てた。
 突然の一発芸の要請に湧く会場。
 そこに、不敵な微笑みを浮かべて歩みだす黄色が眩しい少女。


β「呼ばれて飛び出ておまかせあれ〜。 いちばんβ! ドリルいきますっ!」

 唸り声をあげ、右手のドリルが火花を上げる!

?「なんのっ!」

 すかきーん!
 鋭い金属音。

ミラブレガ「ふっふっふっふっふ。 一人で目立たせてはあげないよー」

 研ぎ澄まされた鎌が、獲物を求めて宙を舞う!

β「せいっ!」

 水平に迫る鎌を飛び越えてドリルが迫る。

ミラ「なんとぉっ!」

 身をそらして間一髪かわすミラ! ドリルが地面に突き刺さる轟音!

β「し、しまった、抜けない〜」
ミラ「ちゃーんす! か〜く〜ご〜」

 もはやこれまで、とばかりに最終兵器を発動するβ!

β「ばーべーるー!!!」

 爆振!!!

観客『げほげほっ!』
ミラ「・・・・・・・きゅ〜〜(気絶)」
β「うぎゅ〜(同様)」

ユーレ「結局バトルなんですか」
うにゅう(黄)「ぐんにょり」

ユーレ「次いきましょう。次」
くるるん「なにっ、ドリルと言ったらワシだろっ!」

 βとミラブレガの交戦を見て、思わずステージに飛び乗るくるるん。

瑞葉「あ〜あ、対抗意識剥き出し・・・」
くるるん「なんか文句あるか!」

瑞葉「まぁ、くるるんはドリルしかないもんね」
くるるん「なにっ! そんなことは・・・・・・あるな・・・」

瑞葉「ほら。 おとなしくステージから降りた方がいいよ」

くるるん「βか、いつかドリルと言えばワシだと思いs」
瑞葉「時代はね、やっぱり鉄球なんだよ。」

くるるん「!! 認めるかぁ、そんなもん!」
瑞葉「なんだと! ここで決着をつけるか?」

くるるん「望む所だ! ドリルの素晴らしさを見せ付けてやる!」

 言うが早いかくるるんの左手のドリルが瑞葉を捕らえる。
 瑞葉はそれを自慢の鉄球で横に払う。

 がきーんっ!

 鈍い金属音が響く。

瑞葉「伊達に毎日嵌めてるだけあるね」
くるるん「お前も毎日手入れしてるだけあるな」

瑞葉「だったら次で決めるよっ!」
くるるん「返り討ちだ!」

 鉄球を高く振りかぶる瑞葉。
 ドリルの回転を速めて構えるくるるん。

瑞葉「鉄球が最高だと思い知れぇ〜!!」
くるるん「ドリルの素晴らしさに平伏せぇ〜!!」

 鉄球とドリルがぶつかりあう瞬間・・・何かがきらっと光り、


 どごーんっっっ!!!!


 ステージの一部が爆発で吹き飛ぶ。

観客『けほっ、けほっ』
瑞葉「にゃあ・・・・・・・?(目を回して気絶)」
くるるん「な゛・・・・・・・?(同じく)」

ユーレ「いきなり乱入してまたダブルノックアウトですか」
うにゅう(黄)「ダブルぐんにょり」

 そんなバトルステージへ、飛んでくるペンギン型のバーチャユニット。

まぐに「大丈夫か? 涼璃の流れ弾がこっちの方へ飛んできたはずだが・・・」
ユーレ「さらに次へ行きましょう。 次へ」


 しかし、まぐにの心配もよそに、早くもステージに毒子が上がっていた。

毒子「うーーし。毒子、一発芸いきます! 秘儀! 首回し!」

  ぐるんぐるん ぐるんぐるん(回)

観客『うわわぁぁぁ!気持ちわるーーーー』

さくら「ねえ、首が360度以上回ってるんだけど、どうなってるの?」
うにゅう「ねじ切れたりせんのかい?」

毒子「いや、だって取れたりするし」

  ひょい。(首はずし)

観客『うぎゃあああ!!』

骨 「ちっとも『萌』でもエレガンスでも知的でもあらへんで」
毒子「アンタに言われたくない!」

 会場からのブーイングに、しぶしぶステージを降りる毒子。
 もちろん、はずした首を戻すのも忘れない。

媛儀「あれくらい簡単ですよね、先輩」
先輩「あまり受けがよくないようだから、お前はやらんでいいぞ」


 そして、毒子の次には・・・・

エルリーナ「は〜い! お次はサーカスの定番火の輪くぐりよ〜〜」
ポポンエス「鞭は鞭でも教鞭ですが」

エル「犬! 余計なツッコミ入れない! びし!!」
ポポ「うひゃ!」

エル「ライオンはちょっと見当たらなかったんで、兎で勘弁してね〜〜」
ポポ「僕がやるんじゃなくって、本当に良かったです」


 首根っこを捕まれて二匹の兎(?)がステージに引きずり出される。

エル「ほらっ、行きなさいっ! びし!!」
うさたん&うさぎさん『た、助けてぇ〜〜〜(泣)』

 その悲痛な叫びが届いたのか、会場の別々の場所から二人の少女の声があがる。

まゆか&デイジー『あーっ! いないと思ったらあんな所に!!』

ゴス子「・・・あんたは出ないの?」
宇詐欺「・・・遠慮しておきます」


 そんなこんなの騒動の内にも、次々とステージは進んでいく。

つぐな「つぐな・ツインルーク!! 一発芸やります!!」
さくら「意外〜 いつもはおとなしいのに」

つぐな(まゆら様も見ていてくれるし、ここで日々の精神修行の成果をっ)

まゆら「それで、何をするつもりなのかな」
つぐな「ええと、大した事もできないんですが・・・・小さな噺です」
まぐに「おっ、小噺か。 気が利いてるね」

つぐな「はい、それではお聞きください。 私の精一杯の一発芸です・・・・
    ――ダンテの神曲全暗唱!!」

さくら「・・・・さー」
まゆら「次、いこっか」

つぐな「ま、まゆら様、見捨てないで―――!!」

ふぁそら「わたしも武田鉄也のものまねでもしようかな・・・」
キッチョム「やめた方がいいと思いますよ・・・」

 まゆらにステージ脇へ引きずられていくつぐな。
 そして、入れ替わりでトレビアンうにゅうがステージへ出てきた。
 その手にはなにやら妖しげな鞄が抱えられている。


「ふふふ。
 盛り上がっているようですね。
 では私もひとつ、うにゅう神の御力の為せる技を皆さんに披露しましょう。
 芸? 芸などではありません。 それは私の、うにゅう神へのひたむきな信仰が為せる奇跡なのです。
 これを見た暁には、貴方もうにゅう神の偉大さにひれ伏し、うにゅう神に絶対の信仰を抱くことになるでしょう。
 え? 何をするかですって? ふふふ、お教えしましょう。
 こうして、地面に座った状態から、うにゅう神の御力によって宙に浮揚してみせます。
 どこかのペテン師がやるようなインチキではありませんよ。 本物です。
 それでは始めましょう。 しっかり見ていて下さいね。
 ふん!
 むむむむ・・・・
 ・・・・・・・・
 どうやら、本日はうにゅう神の御力が届きにくいようです。 星の位置が悪いのでしょうね。
 では、皆さんに協力していただくことにしましょう。
 何をさせるのか、ですか? 簡単な話ですよ。
 この、うにゅう神の祝福が詰まった壺(1個10万円)を、皆さんに買って頂くのです。
 皆さんがこの壺を買い、うにゅう神に祈りを捧げることで、うにゅう神の御力はさらに偉大なものになり、
 その加護は私を重力から完全に解き放つまでに至ることでしょう。
 さあ皆さん。 躊躇う必要は微塵もありません。 壺を買い、うにゅう神に祈りを捧げるのです。
 おや、どうしたのですか? 皆さんそんな顔をなさって。
 今なら、このうにゅう神のオーラが込められた開運判子も、セットで販売致しますよ」


 しかし、会場の反応はとてつもなく冷たかった。

さくら「んなもん、ここで売るな〜っ!」

 その後トレビアンうにゅうが、うにゅう神ではなくさくらの炸裂弾によって重力に抗い、
 夜空に散ったことは言うまでもない。


 続いて岡田任意とかけきよがステージへ。

岡田任意「次、岡田任意とかけきよ行きます!」
かけきよ「って何するんだヨ」

岡田任意「かけきよの24感を公開するよ」
かけきよ「そういえば24もあったんだナ」

岡田任意「一つ目は、コーラの炭酸を一気に抜き取ることができます」
かけきよ「俺様はそんなことが出来たのカ?」

岡田任意「それじゃかけきよ、よろしく」

 とんっ!

 かけきよの前にコーラのビンが置かれる。

岡田任意「わくわく」
かけきよ「・・・・」

観客『どきどき』
かけきよ「・・・・・・(汗」

岡田任意「・・・・・・まだ?」
かけきよ「・・・・・・・・・(焦」

 しばしの沈黙。
 そして、くるっと岡田任意の方を向くかけきよ。

岡田任意「んにゃ?」
かけきよ「今知った俺様にできるかヨ!」

岡田任意「あうあうあー」
観客『はぁ〜〜〜っ』

まゆら「はい次ね、次」
かけきよ「これは一体何の意味があるんだヨ」
岡田任意「ハイテクはまだまだ理解されないのだ」

 まゆらに促され、がっかりしながら岡田任意とかけきよはステージを降りていった。


名無子「さあーお待たせ! 次はいよいよ『あの』漫才ゴーストたちが、自慢の芸を披露してくれるよ!」

 ♪テンテケテーーン (ペタシペタシペタシ)

どどレ「どーもー どどめ&レインボーでーす」
フサギコ「ばんわ〜 フサギコ漫談です〜」

レインボー「それはそうと、最萌期間中はわいらも色んなことがあったなー」
フサ「いや〜、わいらも祭りの間に、随分たくさんの応援の言葉をもろたな〜」
どどめ「ろくなモンが無かった気がするけどなー」
ギコ「確かにそうやね。で、お前はどんなんが印象に残っとる?」
レインボー「3丁目のラーメン屋の話はどうや。 ほれ、理夢と一緒に」
フサ「『よくもぼくのまりたんをいじめたな。 許さないぞー』」
どどめ「すまん、あの時の話は思い出したくないんや。 どどめの秘められた過去その97に封印や」
ギコ「よりにもよってソレかいな!」
レインボー「どどめは汚れとるなー。 ヨゴレ芸人街道まっしぐらや」
フサ「あと、わいらみたいなネタゴーストは、おにゃにょこネタも多かったなー」
どどめ「やかましい! 分かっとるわ!」
ギコ「まあ、萌が足りんのがわいらみたいなゴーストの弱点やさかい」
レインボー「そんなこと無いと言い返せんのが辛いトコロやな。 この前も・・・・」
フサ「おにゃにょこ・・・・ハァハァ」
どどめ「あーもうその話はやめんかい!」
ギコ「結局ハァハァネタかいな!」
レインボー「すまんかった、わいも思い出してちょっと悲しくなってきたわ。 どどめの秘められた過去その117やね」
フサ「お前もワイのハァハァの為におにゃにょこにチェインジ!」
どどめ「それも芸の肥やしや。 全てはいつか、世界一の漫才うにゅうになる為に」
ギコ「なれるか!」
レインボー「そしてわいはラルクアンシエルうにゅうに!」
フサ「任せとかんかい。 この『フサギコ酵母』を使えば一発で・・・・」
どどめ「またそのネタかいな!」
ギコ「毛玉になるだけやろ!」
レインボー「夢は捨てたらあかんでー」
フサ「毛玉ギコ・・・・ハァハァ」
どどめ「いや、その夢はかなり問題あるやろ」
ギコ「もう何でもいいんかい!」

レ「・・・・・・・・」
フ「・・・・・・・・」
ど「・・・・・・・・」
ギ「・・・・・・・・」

レ「なあ、どどめよ・・・・」
フ「やっぱり、やりにくいわな・・・・」
ど「わいも多分、同じコトを考えとるわ」
ギ「当たり前といえば当たり前なんやけどな・・・・」

どどレ「っていうかフサギコ! わいらが漫才やっとる横でなに勝手しとるねん!」
フサギコ「んだとゴルァ! 勝手にやっとるのはお前らの方やろ! 邪魔やさっさと降りんかい!」

「・・・・何がどうなってるの?」
「『漫才ゴーストの方お願いします』って声かけたら、二組とも反応して、どちらも譲らなかったらしくて」
「そうだったのか? アタシはてっきり、流行の『こらぼれーしょん』というヤツかと」

さくら「さーて、これからもどんどん行くよ〜っ!!」

 そして、この後もステージでは入れ替わり立ち替わり、一発芸の夜は更けていった・・・・

 



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